第6回 日本韓国語教育学会 学術大会

 

2015.10.31(土) 午後 研究発表 

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 発表1 韓国ドラマ視聴時の日本人学生の言語・文化学習メカニズム研究
   ―プロトコル分析を用いて―    金慧任(九州大学大学院 修士課程)

 韓国ドラマ視聴時、日本人韓国語学習者の韓国語・韓国文化習得メカニズムを調べ効果的な指導方法を提案することを目的に、初級レベルの韓国語学習者を対象にプロトコル分析を実施した。その結果、大きく分けて言語入力・文化接触・ストーリー把握のメカニズムを経て学習者は頭の中に限りなく飛び回る情報の中で必要な要素を選び出し入力をする。ドラマを通して韓国人が実際に使用する対話の中の単語と文章などをついて読み反復しながら発音と文脈を通して意味を推測した。文化の側面では日本人の立場で日本と似ている点と異なった点を比較し、新しい文化の情報を発見したときには大きな興味を見せた。また初級レベルの学習者を対象に字幕のないドラマ映像を用いたが、俳優の表情と身振りなどを通してストーリーの把握ができ字幕による視線の分散がなく韓国語を聞くことに集中が可能だった。ドラマを通して数多くの言語的・文化的情報が入力される過程で、教師が正しい韓国語の意味と使用法、韓国文化に対する正確な解説を添えるならば学習者の韓国語習得はさらに効果的であろう。

発表2 自律的な外国語学習を促す方略
         ―韓国語学習者の自己調整学習過程から―  
                                                        金孝善(大阪大学大学院言語文化研究所)
 1980年代以後、日本の教育界が強調している学習者の「進んで学習する能力」に注目し、韓国語学習者がどのような過程を経て進んで学習するようになるのかについて調査した事例研究である。自己調整学習理論の「自己調整学習方法」を中心にして学習者が学習初期から現在に至るまでどんな学習方法を利用してきてそれによって自己調整学習能力がどのように発達するのかを調べた。学習者は学習前半で主に学習のためのモデル観察と他人からの指導を通して学習方法を習得しており、学習中盤では他人の学習方法の模倣と、模倣した学習方法を自ら変更していく様相を見せた。そして学習後半での学習者は学習経験の蓄積により内在化した学習方法と学習動機を基にして、自身の状況と環境を自ら調整して学習に臨む「自己調整段階」に到達し、自律的な韓国語学習を実行していた。

 

発表3 TPM討論活動による第2言語学習効果考察
―韓国語上級学習者の討論活動評価表を中心に― 孫進姫(立命館アジア太平洋大学)

 TPM(チームプロトコルメソッド)は유석훈(2011)が内容中心の英語講義で討論活性化のために提案した方案で、本研究ではチームプロトコルを立命館アジア太平洋大学の第2外国語である韓国語高級学習過程に修正・活用し、言語能力向上に起因する学習効果の極大化を試みた。あわせてチームプロトコル討論活動で起こる学習者間の相互協力と相互交差評価法を利用し、学習者の授業参加度と授業集中度を向上させることにより教師の一方的な授業主導パターンから学習者主体授業の進行を誘導し、学習者の韓国語学習に対する動機付与と授業の質をあげることを目的とした研究である。

 

発表4 한국어는 ‘동북아시아어족’이다  
          韓国語は「東北アジア語族」である     최기호(ウランバートル大前総長)

韓国語の系統研究はインド・ヨーロッパ語族説、ウラル・アルタイ語族を経て1907年アルタイ語族説がRamstedにより打ち出された。1967年이기문もその説を受け入れられているが、問題点も多く批判もあり仮説に過ぎない。Ramstedはチュルク語、モンゴル語を基準点に置いたため、韓国語はそこから遠い言語であるとした。 そこでモンゴル語、ロシア語、満州語、韓国語が「東北アジア語族である」という仮説を提唱する。言語学的証拠はもちろん、歴史、地理学的、体質人類学、民俗学、考古学を通してモンゴル語と韓国語の親族関係を立証した。

 

発表5 광복 후 우리말 유행어의 변천과 특징   성낙수
                                                      (韓国教員大学校名誉教授、외솔회会長)
    「光復後のわが国の流行語の変遷と特徴」

 韓国の光復後(2次大戦後)の流行語を10年ごとの区分しながらその変遷を見る。また最近の流行語については類型別に分類し、造語法的にも細かく分類した。

流行語はその時代相を反映する。光復後の韓国の政治・経済・文化の変化を流行語は表している。このような流行語は一時に現れすぐ消えていくもので言語的には弱いものである。しかし時代相を反映する文学作品に用いられるなら永遠な生命力を持つであろう。

 

 発表6 異言語教育の新しいアプローチ
       ― 韓国語教育現場での実践 ―    李潤玉 (近畿大学文芸学部)

 文科省が中心となり進めているFD(日本の全大学における教育改革)を初め大学教育の根本的な改善が求められている。これは韓国語教育も例外ではない。言語とは本来、我々の社会的・文化的精神が投影されているものである。それらと言語との対応関係を外国語の研究に反映させ、その対応が如何なる構造から成立しているのかに光を当てる必要がある。
 外国語教育は単なる記号としての言語を超えた「文化にまで届く」教育でなければならないと考え、言語表現が異なる民族や国家間であっても、我々が同じ人間である以上、「モノの捉え方・考え方」に共通性や相異性が存在することを韓・日・英語の具体的な言語現象を例に挙げながら、文化と言語表現のつながりを観察した。
 

 

 発表7 韓国語母語話者の不満表明における配慮行動
    ― 韓国語の会話指導への応用 ―   石塚ゆかり(青森大学)

 不満表明という言語行動は人間関係を脅かす恐れがありできるだけ避けたいものであるが、韓国社会で日本人韓国語学習者が生活する場合には避けて通れない行為である。日本では店員への期待は大きい一方で、不満を相手に直接伝えることを好まない。
韓国語母語話者が不満を感じたときに、どのようなストラテジーを使用し、不満をどのように表明するかを探り、日本人韓国語学習者が事前に日韓の言語行動パターンの違いを把握しておくことは、円滑なコミュニケーションを行う上で非常に重要なことであると考える。
 本研究では、不満を感じる可能性が高いと思われる2通りの接客場面における不満表明のストラテジーと店員に対するさまざまな配慮表現について日韓両国語の特徴を明らかにした。

 

 発表 8 어휘 학습 자원으로서의 영화 & TV드라마
          語彙学習資源としての映画&TVドラマ   金昌九(松山大学)

 映画やTVドラマを活用した韓国語教授・学習は多様な長所を持っている。ただしドラマ・映画の視聴は学習者に相当な挑戦的な課題でもある。
 学習者がTVドラマや映画ジャンルに共通して高頻度で出現する限定された単語を予め学習しておけばそれらをより容易に理解できるだろうと仮定できる。この発表では大規模コーパスを構築して、このジャンルで広範囲にわたり高い頻度で出現する単語を確認しようとした。

 

   

 

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